くまの575 

春夏秋冬王におれはなる

片付けて床が冷たい春こたつ 

床を冷たく感じた。炬燵をしまうのは、ちょっと早かったかな、と思った。……という句である。

見取り図は原寸大の春の海

春、海に行き、砂浜にほぼ原寸大の部屋の見取り図とか描いたよ……って句である。

小手毬や昔の家の勝手口

散歩に出かけたら小手毬が咲いていた。今は壊されてもうないのだが、むかし我が家の裏口にも小手毬が咲いていたなあ、っていうことを思い出した。……という句である。

暦みてまだ散るなよな花曇り

4月、平日の朝。曇りで少し寒かった。 次の休日を考えながら、桜が散らないといいな、って思った。 ……という句である。

ドア開けてまた靴ぬいだ花の冷

4月。外出しようとしてドアを開けたけど、少し寒くて。もう一枚着てこようって思い直し、すぐに部屋に戻った……っていう句である。

愛してる嘘ぴょ〜んの四月馬鹿

エイプリルフールにも、あまり適さないネタがあると思うのだった。「私は⚪︎⚪︎が嫌いだ……嘘だが」みたいな話は、ぜんぜん面白くない。好き嫌いを嘘本当してもらっても、困るでしょう? でも、それはぼくの考えで。世の中には「⚪︎⚪︎ちゃん嫌い……うっそー」とか…

バーベキュー煙りもくもくの花見かな 

日曜日、近所の公園に行った。まだソメイヨシノは咲いてなかった。でも花見の方はいっぱい集まっていて、バーベキューの煙りをもくもくさせていた。……っていう句である。

重箱にキャラメル詰めて知らん顔

お花見の頃、そんな悪戯をしたことがあるよ、って句である。 でも「重箱」は新年の季語だそうで。困ったな、と思ったけど。 まあ、いいや。 ><

梅の園枝ぶり眺めて握り飯

先日、梅園に行ったけど。梅の時期はもう終わってて、花は一輪も咲いていなかった。でも天気は良かったし。人もいなくても、のんびりしていて、枝を眺めながらお握りを食べたよ。……という句である。

白木蓮礼服を持って洗濯屋

木蓮が咲く道をとおり、クリーニング屋さんに礼服を出してきました。……っていう句である。 白木蓮の花には陶器のようなイメージがある。地面に落ちたら、パリンっと割れていまいそうな感じ。

雨ぽとり椿もぽとり緑かな

朝、雨が降り出すなか椿の花も落ちて、緑が映えて見えた……っていう句である。